コンクリート構造物補修の化学療法による定量システム
亜硝酸リチウムによる補修
６．１ 亜硝酸リチウムの化学薬品としての分類
毒 物：急性毒性試験によるLD50値が30mg/kg以下のもの
劇 物：急性毒性試験によるLD50値が30〜300mg/kgのもの
普通物：急性毒性試験によるLD50値が300mg/kg以上のもの
※LD50・・・実験動物群の半数が死亡すると推定される投与量で，実験動物の体重1kgあたりの投与物質mg量で表す．
亜硝酸リチウムの急性毒性試験（雄マウス，亜硝酸リチウム40％水溶液経口投与）の結果，LD50＝419.3m/kgであり，普通物の範囲である300mg/kg以上に相当します．したがって，亜硝酸リチウム40％水溶液は普通物に分類され，毒物，劇物には該当しないということになります．
参考文献；「亜硝酸リチウム水溶液のマウスを用いる経口投与による急性毒性試験 試験報告書 1995年7月7日 日産化学工業�蝓�
６．２ 亜硝酸リチウムの安全性
亜硝酸イオンは自然界では，動植物，肥料を由来とするアンモニア，硝酸などが酸化あるいは還元されて普遍的に存在しています（窒素の循環として広く知られています）．したがって，亜硝酸イオンそのものは決して安定な状態ではなく，環境条件，微生物の作用などにより常に変化しています．亜硝酸イオンは，自然の河川水中に硝酸，アンモニアなどと同時に含まれており，亜硝酸性窒素として1ppm（亜硝酸として3ppm）程度含まれているとの報告もあります．亜硝酸ソーダは現在，食品添加物として使用されています．
〜リチウムイオンとして〜
リチウムはナトリウム，カリウムと同様のアルカリ金属イオンです．これらアルカリ金属イオンそのものに対する規制はなく，毒性や有害性は認められません．リチウムは，躁うつ病の改善効果があり，炭酸リチウムが治療薬として使用が許可されています．
６．３ 亜硝酸リチウムの発がん性
１．1ARC(国際癌研究機関)
２．(社)日本産業衛生学会
３．ACG1H(米国産業衛生専門家会議)
４．米国EPA(環境保護庁)
５．米国NTP(国家毒性プログラム)
６．EU(欧州連合)
亜硝酸リチウムの発がん性について，ラットを用いた動物実験が実施されています．ラットに飲料水中濃度0.125%，O.25%の亜硝酸ソーダを2年間投与したが，投与群と非投与群との間に有意差は認められなかったと報告されています．
６．４ 法規制・基準等
| 法規制・基準等 | 基準値 | 備考 |
| 水道水質基準 | 亜硝酸性窒素：0.05mg/ℓ | 飲料水としての基準値 |
| 水質汚濁に関する環境基準 | 亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素：10mg/ℓ | 亜硝酸イオンとして32.9ppm |
| 水質汚濁防止法の排水基準 | アンモニア性窒素,亜硝酸性窒素,硝酸性窒素の合計：100 mg/ℓ | 亜硝酸イオンとして329.0ppm |
| 特定事業場からの下水の排除の制限に係る水質の基準（工場排水が1/4以上の場合） | アンモニア性窒素,亜硝酸性窒素,硝酸性窒素の合計：125 mg/ℓ | 亜硝酸イオンとして411.3ppm |
| 特定事業場からの下水の排除の制限に係る水質の基準（工場排水が1/4未満の場合） | アンモニア性窒素,亜硝酸性窒素,硝酸性窒素の合計：380 mg/ℓ | 亜硝酸イオンとして1250.2ppm |
６．５ 取扱い上の注意点 〜製品安全データシートより〜
取扱い：�＾�用は絶対にしないようにして下さい．
��多量に吸入すると急性中毒を起こします．
��水溶液単体でのスプレー塗装は避けて下さい．
�と乕罎防嫦紊垢襪箸�ぶれる場合がありますので，取扱いの際は保護メガネ，ゴム手袋，皮膚に付着しにくい作業服を着用し，皮膚に付着しないようにして下さい．本薬品の付着した保護具・衣類を長時間着用しないで下さい．
�セ誓�物質と接触させると分解してNOxガスを発生するので，接触させないようにして下さい．その他の混合を避ける物質としては，ヒドラジン及びその水和物，過酸化水素または過マンガン酸カリウム等の酸化性物質，アンモニウム塩があります．
�α靆擇砲�かると枯れる場合があり，また魚等にも影響することがあるので，特に廃棄処分する場合はセメントと混ぜて硬化後処分するか，水で充分に薄め大量の水で洗い流すようにして下さい．
�ДΕ譽織鷏呂虜猯舛�充分に硬化してない時に接触すると，化学反応によりウレタン黄変をみることがありますので，この種の材料を施工される場合は養生や清掃また事前の相性を確認の上充分に注意して下さい．
保管:
�〆猯舛�入っている容器は，衝撃により損傷させないで下さい．
��40℃以上，または0℃以下となる所には保管しないで下さい．
�６般獲僂任后セ匐，亮蠅瞭呂�ない所に保管して下さい．
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