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亜硝酸リチウムによる補修
3.亜硝酸リチウムによる鉄筋防錆効果(塩害対策,中性化対策)
亜硝酸リチウムの成分である亜硝酸イオンとリチウムイオンのうち,塩害よび中性化の抑制に寄与するのは「亜硝酸イオン」です.
塩害と中性化は,劣化要因や劣化メカニズムは異なるものの,両者とも最終的には不動態被膜の破壊による鉄筋腐食の問題に帰着します.換言すれば,塩害および中性化の抑制とは,共に鉄筋腐食を抑制することと理解することができます.
亜硝酸イオン(NO2−)の防錆効果についての研究成果は,1960年代に入って各国で多数報告されており,特にコンクリート内部鋼材の腐食抑制に関する文献には必ず亜硝酸イオンが紹介されています.亜硝酸イオン(NO2−)は2価の鉄イオン(Fe2+)と反応してアノード部からのFe2+の溶出を防止し,不動態被膜(Fe2O3)として鉄筋表面に着床することによって鉄筋腐食反応を抑制します.これらを反応式で表すと図-4のようになります.

図-4 不動態被膜の再生
亜硝酸イオン(NO2−)と鉄イオン(Fe2+)との反応により不動態被膜が再生されるため,以後の鋼材の腐食は進行しません.これが亜硝酸イオンによる鉄筋腐食の抑制メカニズムです.図-5に鉄筋腐食の模式図を,図-6に亜硝酸イオンによる不動態被膜の再生の模式図を示します.
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