コンクリート構造物補修の化学療法による定量システムコンクリート構造物補修の化学療法による定量システム|リハビリ工法協会
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亜硝酸リチウムを用いた補修工法の選定事例 | コンクリート構造物補修の化学療法による定量システム|リハビリ工法協会

コンクリート構造物の補修技術

4.亜硝酸リチウムを用いた補修工法の選定事例

4.1 塩害の補修工法選定事例

(1)劣化程度が軽微な場合の例(予防保全的な対策)

条件
対象構造物道路橋RC けた
環境海岸線から 700m に位置し,飛来塩分の影響を受ける
試験値塩化物イオン濃度 2.1kg/m3
外観変状幅 0.1〜0.2mm 程度の微細ひび割れが見られる
鉄筋腐食はつり調査の結果,鉄筋腐食はほとんど認められない

劣化程度が軽微な場合の例(予防保全的な対策)
補修工法選定の方針
既に腐食発生限界を超えた塩化物イオンが侵入しているものの,鉄筋腐食はまだ顕在化していない.そのため,これ以上の塩化物イオンの侵入を抑制するとともに,鉄筋腐食の原因となる水,酸素の侵入を抑制する.

⇒ 主たる要求性能は【劣化因子の遮断】とする

 ただし,塩化物イオン濃度から判断して将来的な鉄筋腐食が懸念されるため,単なる劣化因子の遮断だけでなく,鉄筋腐食抑制効果も加味した補修工法が望ましい.
 これらの方針を考慮した補修工法比較表の例を図 4-1 に示す.
 
 

(2)劣化程度が重篤な場合の例(根本的な対策)

条件
対象構造物桟橋 RC 床版
環境海岸線から 300m に位置し,飛来塩分の影響を受ける
試験値塩化物イオン濃度 4.5kg/m3
外観変状幅 0.5〜1.0mm 程度のひび割れが見られる
ひび割れの一部からは錆汁の滲出が認められる
コンクリートの浮き,はく離が生じている
鉄筋腐食鉄筋は著しく腐食しており,一部には断面減少箇所も認められる

補修工法選定の方針
腐食発生限界を大きく超えた塩化物イオンの影響により鉄筋不働態皮膜が破壊され,著しい鉄筋腐食が生じている.ここで劣化因子を遮断しても鉄筋腐食の進行を止めることは困難であり,再劣化のリスクが高いと考えられる.

⇒ 主たる要求性能は【鉄筋腐食の抑制】を第一に考える

鉄筋腐食を根本的に抑制する工法として,電気防食工法,亜硝酸リチウム内部圧入工法が挙げられる.これらの工法を適用することによって,以後の維持管理における再劣化リスクを低減することができる.
これらの方針を考慮した補修工法比較表の例を図 4-2 に示す.

ここで劣化因子の遮断を目的とした補修工法(ひび割れ注入,表面被覆など)を適用する場合は,以後の維持管理において構造物の再劣化を許容し,再劣化と再補修を繰り返すというシナリオを選択することとなる.
 

 
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